肌を白くする医薬品成分の、L-システイン、トラネキサム酸、ヨクイニン、グルタチオン。
これらが「医薬品」という扱いになっている理由は、何らかの「危険」があるからです。
L-システイン
L-システインは、ドラッグストアで購入できる医薬品の中でも、比較的危険度の低い「第3類医薬品」です。
L-システインの副作用
- 皮膚:発疹
- 消化器:吐き気・嘔吐、腹痛
となっていて、重大な副作用はありません。
高齢者の服用は注意が必要とされています。
L-システインで、注意すること
糖尿病の発症、悪化の可能性あり
L-システインを長期的に摂取すると、膵β細胞のインスリン分泌不全を引き起こして、糖尿病を発症する可能性があります。
また、糖尿病の患者が摂取すると病状を悪化させる可能性があることが報告されています。
実際に、2年の服用で膵臓を悪くした方もいらっしゃいます。
肌の老化が加速するかも?
紫外線を浴びると発生する活性酸素は、「黒色メラニンの産生」と、「肌の光老化」を起こします。
この「活性酸素を除去」する美白方法であれば、光老化も同時に抑えることができます。
L-システインにも抗酸化作用はあるのですが・・・。
一方で、メラニンを作る酵素「チロシナーゼ」の働きを弱めてメラニン生成を強制的に抑制するはたらきもあります。
この美白方法では、紫外線に対する防御力が弱くなってしまい、肌の老化(光老化)スピードが早まってしまう可能性があります。
光老化を「早める」働きと「防ぐ」働きの両方を併せ持つ、ということになりますね。
白髪が増えるかも?
また、「髪の毛」の色素であるメラニンの生成を抑制してしまうため、白髪が増える可能性があります。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は、薬局で購入できる薬の中で最も危険度の高い「第一類医薬品」です。
薬剤師から薬の説明や適正の確認を受けてからでないと購入できません。
トラネキサム酸の副作用
- 皮膚:そう痒感、発疹
- 消化器:食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけ
- その他:過敏症、眠気
重大な副作用として
- 痙攣(けいれん)
があります。
高齢者の使用には注意が必要です。
トラネキサム酸で、注意すること
血栓ができやすくなる
トラネキサム酸は使用すると血栓(血管内にできる血の固まり)ができやすくなります。そのため、脳梗塞や心筋梗塞、および血栓性静脈炎などの疾患を持つ人、またその恐れがある人(コレステロール値の高い人など)は使用してはいけません。
使用に注意が必要な場合が多々ありますので、医師や薬剤師の話は聞き流さず、よく相談してから使用するようにしてください。
肌の光老化が加速する
この薬はメラニンを作り出す細胞「メラノサイト」を活性化させる酵素「プラスミン」を抑制することで、メラニンの生成をブロックします。
つまりL-システインと同様に、強制的にメラニン生成を抑え込むわけです。
ただ単に肌を白くするだけでは、紫外線への防御力が薄れてしまうので、紫外線によるお肌の老化(光老化)が加速してしまいます。
ヨクイニン
ヨクイニン(薏苡仁)はハトムギの種子で漢方薬。ドラッグストアでは「第3類医薬品」の扱いです。
イボの治療薬として有名ですが、お肌のターンオーバーを正常化するため、できてしまった黒色メラニンを早く追い出し、美白にも働くとされています。
ヨクイニンの副作用
- 皮膚:発疹、発赤、そう痒、蕁麻疹
- 消化器:胃部不快感、下痢
- その他:過敏症
重大な副作用はありません。
ヨクイニンで、注意すること
漢方薬ですので、比較的安全です。
妊婦・産婦の使用は禁止。
高齢者の使用は注意が必要です。
また、持病のある方は医師や薬剤師に相談しましょう。
グルタチオン
グルタチオンは、ドラッグストアでも販売が許されない、「医療用医薬品」です。医師のみが注射または処方薬として扱うことができます。
優れた抗酸化作用で、紫外線により発生した活性酸素を無害化し、メラニンの生成や光老化から肌を守ってくれます。
いろんな食材に含まれていて、私たちの体内でも作られている成分ですが、一定量の摂取には危険が伴います。
グルタチオンの副作用
- 皮膚:発疹
- 消化器:食欲不振、悪心、嘔吐
- その他:過敏症
と軽微ですが、
重大な副作用に、
- アナフィラキシー
があります。
アナフィラキシーは全身性のアレルギー症状で、重篤になる場合もあり、命の危険もあります。
そのため、医師にしか使用が許されていません。